【十四日目】仲間との合流【出雲→鳥取砂丘→城崎温泉】
8時過ぎのアラームで目を覚ます。夜中うなされ何度も目を覚ましながらも、11時間以上は寝た計算だ。まだ少しクラクラして気持ち悪い感じもあったが、熱は下がったようだ。昨日買っておいたカップそばにお湯を入れて食べる。脂っこさが気になって半分以上も食べられなかった。まだまだ病魔が体を蝕んでいるのか。リポDとプロテインとマルチビタミンの錠剤を飲んで朝飯とした。ちなみに旅中は、プロテインの粉1kgとシェイカーとマルチビタミンの錠剤を三種の神器として持ち歩いており、毎日欠かさず摂取することで不足しがちな食事量を補っていた。
病み上がりで気力もなかなか出ず、一人ベッドの上、YouTubeで「オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。」(めっちゃおすすめなので見てください)をダラダラ見ていた。
10時過ぎになってなんとか出発。昨日の気持ち悪い感覚を思い出して緊張しながら走る。頭が回らずかなり無心で走っていたような気がするが色々なことを考えたような気もする。バイクには一日6〜10時間は乗るわけで、バイクに乗っているとヒマな時間は山ほどあるのだ。そんな時は自分の将来のこと、過去のこと、今のこと。哲学的な問いからムフフな妄想まで、どんなことでも気の済むまで考え尽くすことが出来るのだが、どういうわけかバイクから降りると忘れてしまう。星新一の小説で、寝ている間に勉強できるけれども目が覚めると勉強したことを忘れてしまう枕があったが、ちょうどそんな感じだろうか。
ともかく気づくと4時間弱走っており、鳥取市に到着した。鳥取市の海沿いにはずっと砂丘が続いているのかと思っていたがそういう訳ではなく、ずっと続く砂浜海岸の一部分が砂丘化していた。バイクを停め、駐車場から階段を登る。登り切ると広い砂漠と真っ青な空が目に飛び込んできた。よくみると丘の上に人がいて、縮尺から分かって欲しいのだが、近くに行くとかなり高いそびえ立つ壁のようであるのだ。「馬の背」と呼ばれるこの壁を登ると、この上ない絶景が見えた。説明はいるまい。やはりガツンと心を動かされるのは大自然だ。一人でも、いや、一人の方が空っぽの心に感動を詰め込める。どうでもいい話だが、すぐ近くのお土産屋さんで売っていた長芋のワサビ漬けがめちゃくちゃ美味しかった。試食ばかりで結局何も買わない悪い客である。
ここからまた2時間半くらいかけて城崎温泉に向かう。大学の部活の同期が待っている。ここからは長々と語ることはないが、自分の居場所がある暖かさをしみじみと感じた。大いに笑って大いに飲んで盛り上がり続けた最高の夜だった。
十四日目
走行距離 272km
食事代 2658円
ガソリン代 2113円
宿代 13200円(晩飯込み)
雑費 400円
計 18371円
総走行距離 3476km