【十一日目】ゆっくりトコトコ【長崎→佐賀→福岡】

 昨晩はいい気分で酔えたので、気持ちよく寝れた。朝6時過ぎには自然と目を覚ます。ゲストハウス「カサノダ」は朝食のトーストが食べ放題だったので、2枚焼いてブルーベリージャムを塗って食べる。あまりに美味しかったので2枚おかわりして同じ食べ方をした。コーヒーには久々にミルクと砂糖を入れた。清々しい朝だった。

 長崎出身の友人宅前でセルフィーを撮ったりしながら北上していく。最初の目的地は伊万里にある「古伊万里酒造」だ。長崎に住む友人にオススメされた店で、「鍋島」や「前(さき)」などという日本酒がうまいという。途中に寄った道の駅「東そのぎ」でスズキのイントルーダーに乗ったおっちゃんと会話をする。聞くと佐賀の唐津方面に行くということで、方向が同じだったので一緒に行くことにした。初対面の人とペアツーリング。しかも相当のベテランだろう。僕に前を走らせてくれたのだが、一挙一動が見られているような気がして緊張した。とりあえず滑らかな発進と、路側帯から1.5m幅キープをキチッとやろうとした。誰かと一緒に走ると、すり抜けをしなくなることもあって、特にのんびりと走ることになる。長崎から佐賀の、森や田畑を抜け、たまに海が見える田舎道をゆっくり走る。こんな優雅なことがあるだろうか。このおっちゃんはいつもこんなことをしているのか。最高の隠居生活ではないか。f:id:KyotoRider:20200212223115j:image残念ながら「古伊万里酒造」は定休日だった。おっちゃんがジュースを奢ってくれた。

 おっちゃんと別れて呼子に向かう。途中までは快走路だったが、半島の先端に近づくにつれ車がどんどん増えてきた。目当ては「河太郎」でイカを食べることだったのだが、2時間待ちだったので断念。やはり人気スポットは朝早く行くよりほかにないようだ。仕方ないので近くの店で食べることにしたのだが、こちらも1時間近く待ってようやくイカの活き造りにありつくことができた。刺身を食べると、ゲソと頭の部分を天ぷらにしてくれる。甘味があって新鮮なイカを思う存分楽しめたと言えるが、3080円もした。しかもカード不可で現金払い。これだけあればちょっと高めのゲストハウスか、個室に泊まれたなぁとか思っちゃったりもして、でもおいしかった!おいしかった!と必死に頭の中を塗り替えた。f:id:KyotoRider:20200212225330j:image

 次なる目的地は「またいちの塩製塩所 工房とったん」。2/2に泊まったゲストハウスの人にオススメされた場所で、塩プリンが絶品らしい。塩製塩所とか頭痛が痛いわとか思いながら走り、2時間弱で到着した。海沿いの駐車場に車がズラーーっと並んでいてテン下げ。工房に向かうと、販売所から入り口まで、50m以上も人が並んでいてもっとテン下げ。極めつけは、列のすぐ後ろが大学生の男女8人組くらいだったことで、陰キャの僕は必死に虚勢を張ろうとして黒の混じった茶金髪を手でファサファサしていた。

 瓶に入ったプリンに、カラメルソースと塩をかけて食べる。目前には透明な海が広がる。f:id:KyotoRider:20200212225108j:imageめちゃくちゃうまかった。今までの人生で、スイカに塩を振って食べると甘くなるという意味が理解できたことがなかったのだが、ようやくそれがわかった。塩をかけると甘さが際立つ。そのままで食べるだけでも美味しいプリンだったが、まさにおいしさひとしおといった感じだった。

 あまりに海岸が綺麗だったので、プリンの瓶に貝殻や砂や海水やらを入れて持ち帰ることにした。貝殻を探している時、「何してるんですか?」って聞かれたら、「海を持ち帰りたくって(金髪ファッサー)」ってやりたいなって思ってた。下宿のテレビ台に飾る予定。f:id:KyotoRider:20200212225527j:image

 そこから東へ向かい、九大に通っている友達の家に泊めてもらった。そいつは色んな意味で「大人」になっていて少し寂しかった。豚骨ラーメン大盛りが370円で食べられて、本当に九州北部では豚骨ラーメンが大衆食なのだなと思った。f:id:KyotoRider:20200212225804j:imagewiiスマブラをしながら宅飲みをして、アロマを焚きジャズを聴きながら眠りに入った。

 

十一日目

走行距離 250km

食事代 5730円

ガソリン代 1252円

宿代 0円

雑費 0円

計 6982円

総走行距離 2713km